泡沫で儚い記憶

あなたの幸せが ずっと、ずっと、つづきますように。 小さな砂粒があつまって、 大きな岩になるほどに。 その大きな岩の表面に コケが生えるほどまでに。

【蹴球】 ACL 鹿島 対 WSW

サポーターの期待と熱で熱かったのに、カシマの風は冷たかった。

久しぶりのACLの出場で、若鹿達はアジアの洗礼に戸惑っていた。
決して相手が強かったわけではない。Jリーグでは取ってもらえるファールを流され、90分間削られ、掴まれ続けた。オフサイドがながされ、ハンドを見逃された。体を当てられ、あり得ないところから足が出てボールをカットされた。基準があいまいなレフリングに苦しみ、自分たちのミスで自滅した。

選手たちは、戸惑いながらも懸命に闘っていた。キャプテンの小笠原はJリーグより激しく、相手選手にぶつかっていった。カイオは4人に囲まれ、削られてもアシストをした。柴崎は果敢に飛び出し、チャンスを作っていた。土居はほとんど消えていても1点を取った。植田のアタックが交わされ、昌子は侵してはいけないミスを2つ出した。
いつもなら足に吸いつくようなトラップが流れ、パスミス、シュートミス、連係ミスが続き、自滅していった。

確かに、リーグが始まっていない初戦で難しかったかもしれない。試合後、サポーターに挨拶をする選手たちに厳しい言葉が飛ぶ。4冠の道、アジアの道は若鹿達に厳しさを教えてくれた。選手たちの悔しい表情から、1年間が始まる。人生はミスや間違いの連続で、成功と歓喜はその頂きに輝く。12月、この試合がきっかけで頂点に立てるよう、熱い声援をこれからも。