泡沫で儚い記憶

あなたの幸せが ずっと、ずっと、つづきますように。 小さな砂粒があつまって、 大きな岩になるほどに。 その大きな岩の表面に コケが生えるほどまでに。

【読書】 三銃士(中) アレクサンドル・デュマ著

 

三銃士の上中下の中です。この巻では、前巻でダルタニャンをかばった三銃士を訪ねて行きます。後半は敵側の魔性の女、ミラディとのやり取りが繰り広げられます。

 

真ん中ということで、上巻ほどの躍動感はありません。そのかわり三銃士のアトス、ポルトス、アラミスのキャラクターの掘り下げがされています。

アトスは誠実で高潔で無口な人物として書かれていますが、今回は博打好きで大酒飲みです。

ポルトスは3人の中で一番の大男で、豪放磊落にして見栄っ張り。それでも女性にモテるので愛人がいます。

アラミスは本当は銃士ではなく僧籍に身を置きたいのだが、恋人と別れることができなくその恋人を通じてダルタニャンを助けます。

 

3人はダルタニャンからもらった名馬をそれぞれ別の方法で処分してしまいます。その方法が面白い。各キャラクターが立っていて3人が愛おしくなります。

 

後半はダルタニャンが枢機卿側のミラディに恋をします。このへんのダルタニャンは初恋の人コンスタンスを助けると言いつつ、ミラディに惹かれていきまます。そのためにはダルタニャンに恋をしたミラディの侍女ケディさえも利用します。

 

恋をしてしまうと、理性なんてどっか行ってしまい、本来やらない行動をとってしまいがちです。このときのダルタニャンはまさにこんな状態で、敵側の人間と知りながらミラディの魅力に落ちていきます。

 

あとの解説を読んでみると、三銃士は新聞に掲載された連載小説らしいので、中だるみがあるのはしょうがないのかもしれません。

 

 

三銃士 中 (角川文庫)

三銃士 中 (角川文庫)