【読書】 ビブリア古書堂の事件手帖 1巻 ~栞子さんと奇妙な客人たち~
ライトノベルという分野がある。中高校生がよく読んでいるようで、うちの娘達も西尾維新の小説をよく読んでいた。今回読んだ「ブリビア古書堂の事件手帖 1巻 ~栞子さんと奇妙な客人たち~」もライトノベルの一種で日常謎ミステリ系というらしい。
あらすじ
北鎌倉の駅の近くにある「ビブリア古書堂」には、若くて美人な店主がいる。たまたまそこで手伝うことになった主人公とビブリア古書堂に集うお客さんが持ってくる古書に関わる不思議な謎の物語たち。
ライトノベルというジャンルがどういうものがわからないけれど、昔あった「キマイラ」シリーズとか「ダーティ・ペア」シリーズが当てはまるのだろうか。ライトミステリといえば、赤川次郎だけれども彼は「マリオネットの罠」という上質なミステリを書いていたりして単純なライトミステリ作家とはいいづらい。
この「ビブリア古書堂の事件手帖 1巻 ~栞子さんと奇妙な客人たち~」は4篇の連作短編が載っており、1話の「ビブリア古書堂」の美人店主との出会いと、主人公の祖母の謎が夏目漱石全集から辿られている。
一通り最後まで読んでみた。きれいなイラストの表紙には、目を伏せている長い黒髪で巨乳の女性。しかも人見知りで他人と話すと緊張してしまうけれど、本の事になるとスラスラと話したり、些細な事からいろいろなことを推理したりする。
まず、この人物設定が男性に媚びているようで、こんな女性好きでしょ?と言われているみたいで胸がムカムカする。
話も無理やりな展開と、こじ付け的な推理で「はぁそうですか」という感想しかない。ミスディレクションを多用しているけれど、ミス・マープルみたいに説得力がないし、「黒後家蜘蛛の会」のヘンリーのような理路整然な推理もない。
ライトノベルの定義はわからないけれど、本格小説のように文章の間から人生の示唆がにじみ出るものではない小説で、簡単に読めなにも残らない小説を言うのであれば、この連作短編集は、人物描写も推理も謎もすべてライトだと思う。
全7巻まで出ているけれど、多分もう読まない気がする。
つか黒後家蜘蛛の会を再再再読中。
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
- 作者: 三上延,越島はぐ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/03/25
- メディア: 文庫
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※誤字を直しました。