泡沫で儚い記憶

あなたの幸せが ずっと、ずっと、つづきますように。 小さな砂粒があつまって、 大きな岩になるほどに。 その大きな岩の表面に コケが生えるほどまでに。

【雑記】 今再び、一番文章がうまい作家「中島らも」を読む

 

中島らもさんの本を集めている。亡くなってから十二年。だんだんと、らもさんのえいえんの年齢に近づいている。僕が思う文章のうまい作家は「山田詠美」「向田邦子」「中島らも」だ。

 

らもさんの文章には、ド底辺の人間に対する愛があふれている。らもさん自身がとんでもない人生でウィキペディアに詳しいが、文章を読んでいるだけでも楽しい。

特にこの事件はらもさんらしい。

 

焼きじゃがいも事件


同連載において「祖母から焼きじゃがいもに味噌をつけて食べると死ぬと言われたが事実か?」との投書に「焼きじゃがいもに味噌をつけて食べた大多数の者が高確率でいずれ死に至る」とこの投書を事実であると回答。「人間なのだから、焼きじゃがいもに味噌を付けたものを食べようが食べまいがいずれ死ぬのは当たり前」という意図での回答だったが、それを理解出来なかった読者から「好物なのに死ぬのか」「怖い」「冗談に決まっている」と不安と疑問の声が寄せられる。これらの投書にらもは「じゃがいもに味噌をつけて食べると確実に死ぬ。誰も避けられない(但しその時期には「個人差」がある)。」と火に油を注ぐ。朝日新聞社側が事態収束のため焼きじゃがいもに味噌をつけて食べるようらもに迫り、折れたらもが実際に食して騒動は沈静化する。 

 

いいなあ。こういう大人になりたかった。現代はギスギスしすぎていて、正論を声高に叫べば正しい人間だと思われている。そんな中島らもさんの思考がよくわかるのが

「中島らもの明るい悩み相談」

 

中島らもの特選明るい悩み相談室〈その1〉ニッポンの家庭篇 (集英社文庫)

中島らもの特選明るい悩み相談室〈その1〉ニッポンの家庭篇 (集英社文庫)

 

 

くだらない質問に、くだらなくらもさんが答えている

質問

「僕は、女性と話すと時間がたつにつれ話題をきたない方へと持っていてしまいます。《中略》もっとロマンティックな話題を出すには、ふだんからどういう風に気をつければいいでしょうか?」

 

らもさんの回答

「ギャグをひねり出す際に自分自身に禁じていることが3つあります。「下ネタ」「ダジャレ」「差別」この3つです。《中略》 ただ、もし奥さんを選ぶのなら、下ネタに大口をあけて笑うような女性が向いていると僕は思いますよ」

 

とか

 

不幸は、ある日突然トグロを巻いてあなたを待ち構えているのである。

 

など。この辺は、中島らもキーワードbotにくわしい。

twitter.com

 

 

僕の中で、らもさんが無になることはない。だかららもさんの本をせっせと集めている。中島らもさんの全集がでてくれれば一番いいんだけど、残念ながらまだでていないので、見つけたら買うようにしている。

 

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人生に行き詰まって、明日が見えなかったり、どうしようも無く悲しい夜は、中島らもさんの文章を読んで、空気のような愛に包まれて眠りたい。