【雑記】 意識が高い、勝ち組、情報強者
最近、話題になっている トピック「意識高い」について。
この手の話題は昔からあるわけで。明治維新以後なら、「まだチョンマゲなの?ぷぷ」と言われていたであろう事の現代版なだけという気がします。
「勝ち組」になりたい?「情報強者」と自慢したい?
似たような言葉に「勝ち組」というのがあります。
「勝ち組」と「負け組」は、様々な業種・企業・人同士の間で比較をする際に用いられる表現です。
企業間で「勝ち組」という表現を使う場合は、競争社会でも生き残れる「資金や企業力」を持った会社を「勝ち組」と言います。
また、人同士で「勝ち組」「負け組」という表現を使う場合、年収や学歴、勤めている企業、生活レベルなどを比較する事が殆どです。
人生において、「勝ち組」に入る事が目的で、大学に入り就職するのなら、うんまぁがんばってとしか言えません。「勝ち組」の会社に入ってもそのまま人生が「勝ち組」になることなんてあり得ないのです。どんな人生にも乗り越えなければならない時が必ずあり、その人生の試練を乗り越えた人が本当の「勝ち組」だと思います。
友達に就職活動に失敗して田舎に戻り、発心して開業し成功を収めた人がいます。田舎に戻った時点で、世間で言えば「負け組」でしょう。でも、彼は人生に負けたわけではなく、現在年収数千万になっています。
同じような言葉に「情報強者」というのがありますね
「情報強者」(情強) とは、情報・通信の技術やインフラを存分に利用でき、質や量、速度的に優れた情報を得られる人、さらにそれらを活用する技術、高い ネットリテラシー を持つ人のことです。 情報インフラを文化的・経済的に活用できるかどうか、それによって情報が得られるか得られないかの格差を 「情報格差」(デジタルデバイド) と呼びますが、「情報強者」 は、ここで他者に対し優位性を持つ人という意味になります
情報強者が情報弱者をあざ笑っている感じがします。ただ、ググるのがうまいだけなのかもしれないのにね。
「意識の高い」人の目的
そもそも、「意識が高い」ということについて、具体的にどういうことなのか
「自分は世間から一目置かれている」とか「さらなる自分磨きに余念がない」といった雰囲気(意識の高さ)を言動の端々に匂わせているが、実際には大した実績や人脈があるわけではなく(全力で実現に取り組んでいるわけでもなく)、単に「周りからデキる奴と見られたい」ための自己アピールに過ぎない、といった傾向が顕著な者を揶揄した言い方。
自分磨きに余念がなく、人脈作って、自己アピールが高い人のことでしょうか?「意識を高く」もって「勝ち組」になるのが目的でしょうか?それならそれでかまわないのですが、
「意識高い奴がそうじゃないやつをバカにするのはけしからん」みたいな指摘もあるけど、実際見ていてバカなんだから、バカにしていいんじゃないかな。 https://t.co/a8J0H8c9Wy
— イケダハヤト (@IHayato) 2016年3月10日
こういう「意識が高い」ならもうなんていうか、どうでもいいんじゃね?と思います。 いろいろな人の「意識が高い」ブログを読んでみたのですが、「意識が高い」とした後の目的が見えない。「他人より目的意識が高い」「幅広い人脈がある」というだけなら今までもありましたが、ソーシャルメディアによる自己アピールが鼻につくのかもしれません。
「意識低いね(笑)」というのが発言から見え隠れするからこそ、「意識が高い(笑)」となるのでしょうね。
他人と比べることで優位に立つ
中学、高校において、クラスの中でのランク付けをし、自分がどの当たりにいるのかというのは誰でも気にしていました。漫画「リアル」の中で高橋という高校生が、あいつはAランク、あいつはDランクと順位漬けをし、事故に遭って歩けなくなった自分を最低ランクと揶揄する場面があります。
中学、高校、大学などは同じような年齢の人間が集まっていて、そのようなランク付けをし、他人との比較をすることで自分を高く見せようとするという人がいました。同じように
「勝ち組」に対する「負け組」
「情報強者」に対する「情報弱者」
「意識が高い」に対する「意識が低い」
上記に列記した言葉というのは常に対になっています。これは他人と比較して、自分が上にいるかどうかという証明です。比較対象があって、自分より下にいる人(悲惨な人)を探して笑っている。言葉が違うだけで、根っこは同じ。誰々より年収が高い、誰々より情報を知っている。誰々より人脈がある。
そんなのは人生において、なんの役にも立たないのにね。
自分に目的があり、自分に挑戦し続けている人は充実して成長していると言えるけれど、他人と比較し始めると成長がとまる場合がある。何か一つでも、自分が打ちこめるものをもっているならば、それは幸せへと続いていくし、自分の成長が実感出来れば、他人との比較なんてどうでもよくなる。 他人と自分を比較しても不幸にしかならないのにね。
誰かに「すごいですね~」と言われ喜んでいる人は、心の底に他人と比較している自分がいると感じた方がいいです。「すごいですね~」という言葉の前には「他と比べて」がつきます。
漫画「リアル」の中で、離婚前はエリートサラリーマンだった父が田舎で暮らす陶芸家となっていることに対して、ランク付けする高橋が「負け組じゃねぇか」と父に言う場面があります。
この言葉を理解するのには、人生経験が必要です。何度でも挫折した人生経験が。
「意識が高い」人は一度、井上雅彦の「リアル」を読んだ方が良いです。